平成27年9月16日 自由民主党政務調査会 厚生労働部会障害福祉委員長 髙鳥修一 様 障害児者問題調査会長    衛藤晟一 様 社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 会長  松井逸朗 「障害者総合支援法」の施行3年後の見直しに関する要望について 日頃より障害者福祉向上のためにご尽力いただき、深く感謝申し上げます。 「障害者総合支援法」附則第3条については、法案の検討過程において議論が尽くせなかった課題を検討規定として、同法施行3年後を目途に見直しの検討を行うこととし、厚生労働省障害者部会において団体ヒアリングを含め、検討が進められてきました。 日身連は、同部会メンバーの一人でもありますが、「障害者総合福祉部会の骨格提言」を踏まえ、かつ、障害者総合支援法施行後に生じた課題も含め、以下について、特に要望いたします。 記 1. 高齢の障害者に対する支援の在り方について 超高齢化社会を向かえ、高齢の障害者については、所得保障、居住環境、地域との関わり(相談支援体制等含む)等の課題がありますが、特に、障害者総合支援法第7条における介護保険法の介護給付の優先原則については、障害特性により個々のニーズに応じたサービスが求められます。介護保険サービスでは満たないものは、障害福祉サービスを上乗せして支給することとなっていますが、実態に即されてないとの声もあります。また、経済的な負担が発生することも経済力の弱い高齢の障害者にとっては厳しいものとなります。そのようなことから、介護保険法優先原則の在り方については、本人の選択による決定を原則としていただきたい。 2. 障害者等の移動支援について 重度障害者の通勤・通学にかかる支援については、原則としてそれぞれの分野のもとで、財源確保と併せ、制度化していただくのが妥当と考えるが、さらなる検討をしていただきたい。 3. その他福祉サービスの在り方について (1)居宅介護を受けている障害者(独居)が、入院した場合、保険医療機関から提供される「看護」に含まれない生活上の介助(洗濯や買い物、役所や関係機関への届出、郵便物の取り扱い、自宅に書類等を取りに行く等)を受けることができないため、大変不自由な入院あるいは療養生活をおくらなければなりません。このような実態解消にむけた対策を講じていただきたい。 (2)障害者が安心して自立した生活をおくる上で、実効性のある障害福祉計画を都道府県及び市町村が作成できることが肝要であるとともに、地域間の格差が拡大することがないよう、全国的に実態を検証できる仕組みを構築していただきたい。 (3)福祉サービスを利用していない在宅障害者がいつまでも元気に、生きがいを持って地域社会の中で生活し続けていけることは重要です。労働施策などの福祉施策以外との連携とともに、社会的障壁を除去し、社会参加の充実にむけた啓発促進を図ることはもちろんのこと、それらの取組みにおいては、障害者団体との積極的な連携活動を含め、地域生活支援事業にしっかりと位置づけることを検討いただきたい。 (4)障害福祉サービス等の利用者負担に関する収入認定の範囲については、本人のみの収入とすることが妥当であると考えるが、さらなる検討をしていただきたい。 4.その他 2017年に予定されている消費税率の引上げについては、経済的困難の大きい障害者への負担が生じないような対策を講じていただきたい。 以 上