障害者自立支援法が施行されてから1か月が経過しました。
しかし、法律の成立後、厚生労働省から各自治体への具体的な施行の通知、周知徹底が遅れていたこともあり、改正内容の解釈が不徹底だったりしたため、一部市町村の現場サイドでは混乱が見られました。
また、利用した福祉サービス量により1割の自己負担がかかるようになる定率(応益)負担制度が導入されましたが、「利用料が払えない」として福祉工場や授産施設などの利用を断念した利用者の事例が明らかになりました。一部では利用者が団結して1割負担をしない方針を固めた施設も出てきています。制度の開始後も、関係者の間では不満や戸惑いが広がっているのも実情です。
日身連では既報のとおり、法施行前の3月13日から15日までの3日間、全日本手をつなぐ育成会、全国精神障害者家族会連合会とともに、「障害者自立支援法ホットライン」を緊急開設し、全国各地から227件にのぼる切実な電話・FAX相談をお受けしました。
10月から同法は完全施行となります。利用者や関係者にさらなる不安を抱かせることのないよう、まずは引き続き官民挙げて利用実態、現場の生の声の把握に努めることが必要です。
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