12月13日に開かれた国連総会の本会議で、「障害者の権利条約」が全会一致で正式に採択されました。来年3月30日から各国の署名手続きが始まり、20か国が批准した時点で発効となります。
2001年末、障害者の権利条約の制定に向けた特別委員会(アドホック委員会)の設置が国連総会で決まってから、約5年にわたる熱い議論を経て、まさに悲願の採択となりました。日身連も、障害をもつ世界の仲間とともに、条約の早期実現というゴールをめざして走り続けた5年間でした。
全50条から成るこの権利条約は、すべての人権、基本的自由を完全かつ平等に享受することをめざすとともに、批准した国は、条約に規定されている障害者の権利の実現のために、あらゆる適当な立法措置・行政措置を採ることが求められます。
障害者への差別を禁止する施策はもちろんのこと、移動の保障、情報コミュニケーションの保障、教育における機会の保障、労働や雇用、社会保障の権利保障などの施策も講じられることになります。
また、批准した国では、必要によってはその国の国内法の改正や新たな法制度の制定も義務づけられます。ちなみに、日本政府は数年以内に批准する方針を固めていますので、今回の条約採択は、良い意味でわが国の障害者施策にも大きなインパクトを及ぼしうる出来事です。
世界には約6億5000万人が、何らかの障害を持ちながら日々生活しています。コフィー・アナン国連事務総長は「全世界で障害を抱え生きる人々にとって歴史的な成果であり、新しい時代の夜明けが約束されるものだ」として、条約への全面的な賛意を表明しています。
国連・障害者権利条約特別委員会のようす
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(画像提供:JDF)
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