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                                          平成23年4月14日

自由民主党政務調査会
障害者特別委員長 衛藤 晟一 様
厚生労働部会長  田村 憲久 様
                                      社会福祉法人
                                      日本身体障害者団体連合会
                                       会 長  小川 榮一

           東日本巨大地震・津波災害対策にかかる日身連要望について

 貴党におかれましては、平素より障害者福祉の向上に特段のご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 3月11日に東北地方から関東地方にかけて発生した大地震により、甚大な被害がもたらされました。被災地域や避難場所等では、被災された数多くの障害者が困窮しています。
 特に、遠隔地を含む避難所や自宅避難の場における支援物資や情報保障、福祉サービスの利用等といったさまざまな面で、多くの困難をかかえている障害者等の実情が報告されています。また、不安な避難生活に加え精神的ケアも万全とはいえず、一日も早い支援が必要です。
 ついては、早急に被災された障害者等への実態把握を実施するとともに、特別かつ緊急の支援とご配慮をいただけますよう、下記について要望いたします。
                            記
1.  被災障害者等に関する実態把握を踏まえた的確な支援が必要であり、緊急的に支援を要するもの、中・長期的に支援を要するものを明確にし、財政的保障も含めた支援を講じていただきたい。特に、自宅避難等をしている障害者について、支援が届かないことがないよう留意していただきたい。
●個人情報保護法により障害者の居住地が開示されてこなかったことから、今回の震災時に障害者への避難誘導等が迅速にとられていたか明確ではない。また、現在、自宅で避難生活をおくっている被災障害者の把握(人数と必要とされる支援)が行われているのかも懸念される。
 緊急災害時等において万全な対応を投じるには、誰がどこに住んでいるか等といった個人にかかる情報は必須であり、本人了解は前提条件としても、個人情報保護法の見直しについて検討いただきたい。

2.  聴覚障害者等への情報・コミュニケーション手段の保障については、生命の危機にもかかわることからも、緊急速報や災害情報、避難情報、記者会見・ニュース等関連番組等における手話・字幕付与・音声解説の実施とともに、音声、手話、掲示等で情報・コミュニケーションが入手困難な盲ろう者や知的障害者等に対する配慮(例えば、インターネットによるデータ配信等)を講じていただきたい。

3.  遠隔地を含む避難所や自宅避難、あるいは計画停電地域に在住している人工呼吸器使用者へインバーターつき小型発電機と予備バッテリーの貸与を優先的にしていただきたい。

4.  また、同じく遠隔地を含む避難所や自宅避難等しているオストメイトへのストマ―装具の無料配布を実施していただきたい。

5.  被災された精神障害者や難病者等に対する医薬品等の供給及び医療体制の整備については、現地の状況を踏まえつつ、速やかにかつ弾力的に対応していただきたい。

6.  過去の災害の経験からも、避難した施設内の入口の段差や階段、トイレ等がバリアとなり、障害者の避難所生活を極めて困難にしている。当事者と相談のもと、バリアフリーな環境に図っていただきたい。改善が困難な場合は、環境が整っている他の避難所への移動ができる等、柔軟な対応ができるようなシステムを図っていただきたい。
 また、仮設住宅の一層の促進を図るとともに、障害者等が利用しやすいようにバリアフリーが施された仮設住宅を設置していただきたい。

7. 障害や疾病により避難所生活ができない或いは仮設住宅の建設が遅れている等から、やむを得ずアパート等を借りている障害者およびその家族に対して家賃全額補助等の支援を講じていただきたい。

8.  災害により運営や組織機能・体制が困難となった障害者関係団体に対しては、公的助成を講じていただきたい。

9.  被災地並びに遠隔地避難している被災障害者に対して、「障害者自立支援法」にかかる以下の事項について、特例的な措置を講じていただきたい。
(1) 被災区域の福祉施設並びに事業所への災害復興にかかる財政的支援について、全額補助としていただきたい。
(2) 自立支援給付(介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具)並びに地域生活支援事業については、自己負担を免除いただきたい。
(3) 時限的な措置として、作業所等の公費収入については日額制度から月額制度にしていただきたい。

10. 被災された障害者等の不安等を取り除くためにも、適正なサービスや情報が受けられるよう、障害者団体等の協力とともに、障害者相談員等の活用を含めた相談支援体制を早急に整えていただきたい。

                                          以 上



社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会
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