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財源論議を早急に行うよう当事者委員求める
~第10回地域生活生活検討会行われる
2003/10/30
 「予想以上に支援費利用が伸び、今年度のホームヘルプ予算では足りなくなってしまうという情報もあり、この検討会が1月のホームヘルプサービス上限設定問題に端を発してつくられた経緯から、財源確保をどうするかという問題について、この検討会で、今日の予定を変更してでも行うべきだ」と、中西委員、大濱委員、太田(委員)など当事者委員は主張した。 

 これに対して事務局は、「次回の検討会でテーマとしたい。必要なデータを次回には提出するようにしたい」と答えた。板山座長代理は「事務局に次回までしっかりとした準備をしてもらって、議論をした方が話ができる」と述べた。森祐司委員は「支援費制度がスタートし、障害者の介護サービスの低下が危惧されている。この委員会の議論に障害者団体が消耗していることも確か。そういう当事者の危機意識が存在するということをふまえて、
次回きちんと論議したらどうか」と発言した。
 
 この日のテーマは「地域生活をとらえるサービス体系の在り方について(就労支援、住まい等の施策について)」であった。

 事務局から、就労・住まいに関する現行の主な施策の形態と、「就労・住まいの支援施策に関する主な意見等」と題した資料が配られ説明があった。

 その後、質疑に入り、笹川委員から「ITの在宅就労の研究会に視覚障害者が入っていない」との指摘があった。また「就労・住まい・介護は地域生活支援にあたって関連性をもつ一体となっているものと捉えられるべきである。一般就労と福祉就労の線引きを考え直す必要がある」と京極委員は発言した。

 竹中委員は「スウェーデンやアメリカに比べ、有能な障害者が社会全体のリーダーとなっていない。福祉とか就労とかいう枠組みそのものを根底から変えていく必要がある」と発言した。

 障害者の就労実態などをまとめていくこととなった。その際、「精神障害者も組み込んだものをつくってほしい」と大熊委員は述べた。

 中西委員からは、住まいに関して「高齢者居住安定法を障害者にも適用していき、家賃債務保証などを行っていく必要がある」との意見提起がされ、さらに「見逃してはならないこととして、知的障害者が公営住宅での単身入居がいまだにきちんと認められていないことがある」と述べた。ピープルファーストや育成会本人部会のメンバーも、この問題について具体的に発言し、さらに家賃補助の必要性について訴えた。
 
 報告事項として事務局より「居宅生活支援サービスの利用状況調査の結果について」が仮集計として出された。今年の4月の状況を対象に、3201市町村に調査、有効回答数は3192市町村であるとのこと。今年1月の段階と比べ、ホームヘルプサービスの利用状況は相当伸びており、全身性障害者の場合でいえば83時間から、日常生活支援としての135時間と1.6倍に伸びている。

 また、有留委員から東京都における「居宅介護支援費実施状況」が出された。これはこの4月から6月までの3ヶ月分の状況を調査したものであった。サービス決定量とその実績は、身体障害者の日常生活支援が相当大きなウエートを占めており、いずれの月も全国調査の平均値125.8時間の約2倍となっていた。視覚障害者ならびに知的障害者の移動介護等の時間数も軒並みに、昨年度に比べ大幅に上回っており、利用時間数全体でも昨年度に比べ9.9%増という内容であった。

 この状況から、「東京都として厚労省に対して緊急アピールを出した」と有留委員は付け加えた。
 「このような状況をどうみるか」との中西委員の質問に対し、高原課長は「今年度は平年度べースで約15%増の予算を確保した」と述べ、全体を見るには6月以降の不確定要素があるとの見解を示した。次回検討会は11月14日(金)午後2時~午後5時、厚生労働省18階専用第22会議室。

(10月28日発行・障害連FAXレターNo.57(編集人・太田修平氏 = 中央障害者社会参加推進協議会委員)より転載)

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