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障害者8団体と厚労省の勉強会報告・詳細版
(2月27日開催)
2004/03/04
  村木課長、間課長補佐をはじめとする障害福祉部と話し合いを行った。
 最初に、特別のニーズに対する上乗せサービスについて意見が交わされた。障害者団体側からは、
・介護保険に税財源でサービスを上乗せする仕組みにした場合、生命維持に必要な基礎部分である介護保険を越えるサービスを市町村が行わない可能性が高い。

・介護保険が基礎部分になった時に支援費制度はどうなるのか。

・これまでの政策を転換して、基礎部分を市町村が担い、重度障害者などの基礎部分を超えるサービスは国が責任を持つという考え方はどうか。

・介護保険の導入の時に、介護保険以外のサービスはあまり増えなかった。障害者を統合して、介護保険で対応できないサービスを確保できるのか。
などの意見が出された。

 これに対して厚労省からは以下のような考えが示された。
 厚労省からは、
・財源は、税・介護保険・医療保険・自己負担しかないので、介護保険の上乗せを考えた場合、税で行うことが有力な考え方である。

・現在の65歳以上と40歳以上の特定疾病の障害者に行っているように介護保険を基礎にして支援費制度を上乗せで使う方法をとることもできるし、それ以外により良い方法があるかについても考えている。

・スウェーデンのように市町村が基本的な部分を行って、それを越えるものを国が行うという考え方はわかるが、国が全額負担する場合、極めて限定された人に限定された使い方になり、自由度は狭まるのではないか。

・介護保険の導入の時は、介護保険本体を大きくしてそれ以外のサービスを増やすという視点はなかった。障害者の場合は事情が違って、介護保険以外のサブシステムが重要だと考えている。

 これらのやりとりを受けて、二階建てをとる場合の具体的な仕組みとその将来的な安全性が担保されないと、地域で重度な障害をもって生活している人の不安は拭えないので、もっと判断のための材料が欲しいということを伝えた。

 続いて、厚労省よりニーズを顕在化させる仕組みとしての市町村障害者計画の必要性について資料をもとに説明がなされた。高齢者には、市町村に老人福祉計画、老人保健計画、介護保険事業計画が義務づけられており、市町村が計画策定を通じてニーズを把握するよう仕組まれている。市町村障害者計画は現在義務づけされておらず、計画を策定しても数値目標まで掲げているところは少ない。今後は市町村障害者計画を義務づけし、市町村障害者計画を積み上げて国の障害者基本計画を作っていくことなどの必要性について議論がなされた。

 また、前回から議論されている特別のニーズへの対応としてどういう介助を必要としている人にどれくらい費用がかかっているのかという論点については、障害者は高齢者に比べて数が限られており、現在の障害者の統計や支給決定の内容から十分把握できるのではないかという意見もだされた。

 知的障害者の分野からは、グループホームについて支援費では出身地の市町村が支援費を支給しており、介護保険ではグループホームのある居住地の市町村が被保険者になっていることの違いに対する懸念も示された。

 次回は3月5日(木)17時から、引き続き介護保険と支援費との関係を考えるとともに、障害福祉施策の立場から研究者の北野誠一氏からの意見も伺う予定である。


(編集人・三澤了(DPI日本会議))


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