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3つの作業班からの報告が行われる
 ~第16回地域生活支援検討会報告
2004/04/16
  4月15日(木)、厚生労働省内で「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第16回)」が行われた。

 冒頭、前回の検討委員会において議事運営問題で太田(委員)が抗議の意思表明として退席した問題で、JDより江草座長宛に3月3日付で申し入れを出していたが、江草座長、事務局の高原障害福祉課長より「申し入れを真摯に受け止め、反省し、民主的な議事運営に努めていきたい」との表明がなされた。2人の委員から「あの程度で退席するのは大人気ない」「太田(委員)も反省が必要」との発言もあったが、座長からのコメントを軸にし、議事が進められた。

 このあと各作業班からの報告がされた。
 「知的障害者・障害児に関する支援の在り方作業班」では、相談体制の整備の必要性、住まいの確保・居住支援の重要性が提起された。特に知的障害者の公営住宅への単身入居を可能にしていく方向性が出された。また、知的障害者自身がヘルパー資格を取りやすくする必要性も謳われた。これについては「近畿地方や東京でヘルパー資格を取っている実例も増えている」との委員からの発言もあった。

 続いて「視覚障害者・聴覚障害者に関する支援の在り方作業班」の報告があった。コミュニケーション保障は現在の支援費だけでは対応しきれないことや、情報通信のバリアフリー化の一層の推進、社会参加支援への対応、などなどが提起された。さらに利用者負担の在り方については、「現行の生計中心者から、利用者本人を中心とする視点」が強調された。

 3番目に「全身性障害者等長時間介護が必要な者に関する支援の在り方作業班」からの報告であった。その範囲については「日常生活において、多くの場面で人的支援を必要とするような、障害の重い全身性障害者等」とし、その主なニーズは「『医療的ケア、コミュニケーション支援、見守り等』に関することが大きい」とした。「短時間の議論ではまとめきれず、意見を列挙した」とした上で、「知的障害者の中にも長時間の支援が必要な者もいる」や、「全身性障害者の持つ障害は、言語障害等様々な複合的要素があり、一人暮らしの場合、障害が軽度でも長時間の介助が必要な者もいる」などが提起された。

 当事者委員を中心に「障害者は一人ひとり違うので、個別性を重視すべきであり、客観的な認定システムには馴染まない」とする補強意見が出される一方、「行政システムである限り、多くの市民との合意形成が必要であり、客観的基準が求められる」とする意見も相次いだ。
 さらに「この問題を議論するにはデータが少なすぎる」「ダイレクトペイメントは現実的か」「高齢者との違いを強調しすぎ」「“本人と市町村との協議”による決定は、力関係で決められてしまい、悪しき措置時代に逆戻りさせてしまう」などの指摘もあった。また、「利用者より事業者が利する状況があり、だから客観システムが必要」とする意見もあった。また、「“ケアマネジメントは大きなおせっかい”とする意見はある意味新鮮だ、その考えを明確にさせ、部分的に残していく工夫も必要ではないか」などの感想も出た。

 休憩をはさみ、東京都から「介護保険制度の見直しに向けた東京都からの提案」の説明があった。「一部新聞報道では東京都は支援費の介護保険制度への組み込みには賛成ということで流されているが、支援費制度の理念を発展させる観点から、統合について、広く国民の理解を得る十分な議論が必要である、との立場である」とした。

 最後に今後の検討会のスケジュールについて事務局から説明があり「これからは国庫補助基準の見直しについて議論をお願いしたい」と提起された。

 次回の検討会の日程は決まらなかった。

 (4月15日発行・障害連FAXレターNo.77(編集人・太田修平氏 = 中央障害者社会参加推進協議会委員)転載)

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