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自由民主党政務調査会障害者特別委員会発表
「今後の障害者施策について」
2004/10/23
  今後の障害者施策について検討を進めてきた自由民主党政務調査会障害者特別委員会(八代英太委員長)では、10月22日、これまでの日身連を含む障害者団体の代表らを加えた障害者特別委員会・支援費問題等に関する小委員会での議論を踏まえ、将来の総合的な障害者福祉法の制定や、障害者福祉サービスの応益負担の問題への配慮などについての基本的な方向性を示す「今後の障害者施策について」を取りまとめを発表しました。詳しくは以下の通りです。

(資料)

                                        平成16年10月22日
              今後の障害者施策について

                                  自由民主党政務調査会
                                 障害者特別委員会委員長
                                        八代  英太

 自民党障害者特別委員会は、本年の春から、二つのテーマを掲げ熱心な議論を展開してまいりました。特に、わが党を支援している有力障害者団体の幹部を迎えての円卓会議形式の勉強会でした。

 第一部は「障害者の就労問題」、第二部は「障害者の介護問題」で、両者は深い関係、繋がりを有しており「就労と介護」は一体的なものであるとの認識の下、障害者が如何に地域で自立、共生すべきか、そのために介護はどうあるべきかの議論でした。
 すべて「障害者の就労問題」については、党の公約の中でも宣言されていますが、平成17年度を「障害者の就労元年」と位置づけ、それに沿った予算・政策が着々と進行しています。

 さて、障害者の介護問題については、様々な議論があります。特に介護保険との関係については、とかく障害者の介護は高齢者介護と統合して、介護をひと括りにすべきとの意見もありますが、両者は「似て非なるもの」であり、今後財政問題を含めて、障害者介護・高齢者介護の原点からの議論が不可欠であろうと感じます。

 こうした状況を踏まえると、本報告は下記のとおり「両論併記」となりますが、重要なことは、高齢者介護に障害者介護がぶら下がるようなことであってはならず、障害者介護と高齢者介護の連携は不可欠であるとするなら、その基本的ニーズの違いを基本政策に取りまとめ、新たな体制作りが求められます。

 特に昨今の福祉の流れを考えれば、公助から共助、共助から自助へ、国から地方への社会保障の流れの中で、共に支えあう精神を育てつつ、財源として消費税1%を「介護目的税」とし、国民の理解を求め、その税収を「高齢者介護・障害者介護基金」とするなど、政策の舵取りを与党として提言すべき、との意見が、参加議員・障害者団体から提言されたことも付記しておきます。
 今後は速やかに、党内議論を高め、結論を得るよう努力したいと思います。

                       記

 「障害のある人が地域で自立して暮らせる社会を創る」という大きな目標に向かって、私たちは大きな努力を積み重ねてきました。この間、大きな前進もありました。社会福祉の基礎構造改革により、障害福祉サービスの基本が「措置」から「利用」へと大きく変わり、自己決定、利用者本位の考えが確立されました。また、本年には、10年ぶりに障害者基本法の改正も行なわれました。
 そして現在、国連では、障害者権利条約の草案が議論されており、その草案の中にも障害者が住む場所を選び、地域の中で暮らす権利が盛り込まれ、その方向性はより確かなものとなろうとしています。

 平成15年4月に施行された支援費制度により、知的障害者や障害児を中心に利用者が伸び、サービスを実施していない市町村(いわばサービスの空白地帯)は急速に減少するなど、障害者の地域生活支援は大きく前進しました。
 その一方で、サービスの急速な伸びに国や自治体の予算が追いつかない状態が生じ、障害者がその先行きに不安を感じざるを得ない状況が生じています。また、サービス提供について自治体間で大きな格差が生じていることや、精神障害者が制度の対象外となっているなど、大きな課題も残っています。

 今後の障害者施策を考えた場合、障害者の地域生活を支える仕組みをより安定的で強固なものとしていくことが必要です。さらに、障害者をその年齢や種別などにより分断するのではなく、総合化、一元化された政策が求められています。将来の総合的な障害者福祉法への展望も念頭に置きつつ、こうした方向の制度改正をできる限り早期に進めていく必要があります。

 障害者施策と介護保険制度との関係については、さまざまな議論があります。既に65歳以上の高齢の障害者は介護保険のサービスを利用しており、介護保険の受給者の範囲が広がった場合には、障害者施策と介護保険制度と共通するサービスについて、介護保険制度の仕組みを活用して提供することは、総体的に障害者施策を強化することにつながるとして、強い期待を寄せる意見があります。一方、介護保険が適用された場合には、必要な障害者福祉サービスが受けられなくなるのではないか、応益負担に耐えられるのかといった懸念もあり、こうした声に十分配慮することが必要です。

 いずれにせよ、社会保障全体のあり方については、総合的な議論が求められており、今後、多くの国民の声に耳を傾けつつ、自由民主党の関係する部会等でさらに議論が深められることが求められています。こうした中で、障害者施策についても、多くの国民の理解と共感を得て一層充実・強化されるとともに、国際的にも評価されるものとなることを強く期待いたします。
 


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