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人権擁護法案、成立へ国会内で動き
  ~障害者救済のあり方などに懸念も
2005/03/07
 2年前に廃案になった「人権擁護法案」を今国会に再提出する動きが与野党間で活発になっています。
 人権擁護法案は、わが国に人権侵害が起きた場合の救済機関がないことについて、国連から日本政府に改善勧告が出されていたのがきっかけで、検討が進められてきたものです。法案では差別、虐待といった人権侵害を受けた障害者でも、裁判手続以外での救済をめざすことが想定されています。具体的には人権侵害の被害者を支援・救済するしくみとして「人権委員会」を設置し、そこで裁判手続と同等の救済効果が得られるよう、調停や勧告などを実施する考えです。
 しかし、この法案に対しては、各方面からさまざまな課題も指摘されています。たとえば、この「人権委員会」が法務省の外局扱いになっているため、中立性・独立性が確保されるのかといった懸念が示されているほか、全国各地に住む多種多様な障害のある人々の人権侵害事例をたった1機関のみで対応しようとすることへの限界論もあります。障害者の地域生活支援サービス体制の見直しが進むなかで障害者自身の権利意識が高まっているにもかかわらず、法務省と地域生活のあり方を考える厚生労働省との間の連携がまったくおこなわれていない実態も明らかになっています。
 さらに、法案に関するマスコミ各社の報道は、メディア規制に関する部分のみが突出しています。そのため、法案の全体像がバランスよく国民に伝わらず、障害者団体など人権保障を推進する団体の中でも関心が低く、議論が盛り上がっていないのが実情です。
 日身連など障害者団体の多くは、より拘束力をもつ「障害者差別禁止法」の実現を強く訴えていますが、すべての国民に関わる重要事項だけに、それぞれの立場でのきちんとした検討を踏まえた上で、審議を進めていくことが望まれます。


(日身連NEWSは都合により3月15日までお休みします。ご了承ください。)



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