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平成21年度「障害者110番事業研修会」を開催しました 2009/07/30
 7月13日(月)、全国社会福祉協議会会議室(東京都千代田区)において、全国より110番事業相談担当者等56名の皆さまにご参加いただき、障害者110番事業研修会を開催しました。

 開講に先立ち、小川榮一会長から「障害者が地域で安心して自立した生活をおくるための基盤整備の構築をどのように考え、提言を発信していけるのか、実効性を伴って地域に働きかけていくことが大切。相談支援事業は、障害者の様々な声が反映される場所であり、相談員の方々の原動力に期待したい。また、日身連も活動支援にさらに努力していきたい」との挨拶がありました。

 午前のプログラムは、荒中氏(弁護士、日本弁護士連合会副会長)に、「障害者の自立を妨げる人権侵害」をテーマに、弁護士という立場から、事例を含めながら、障害者が直面する問題とその特質、障害者にとっての人権、権利擁護について、相談員としてどのように関わり、そのことについて理解を深める努力が必要かということについてご講演いただきました。また、“何気なく”“さり気なく”“苦もなく”できるという仕組みが権利擁護であると考えていく姿勢と、そして、権利擁護が身近なところにあり、それに気付くことが大切な第一歩であると、参加者への期待の言葉がありました。
午前のプログラム 荒中氏講演の様子 
午前のプログラム 荒中氏講演の様子

 午後は、「初期相談のあり方を考える」をテーマに、良田かおり氏(全国精神保健福祉会連合会事務局長)からご講演いただきました。長年、精神障害者の相談事業に携わっている経験から、初期相談に向かう上で、相談員として留意したいポイントを、事例と併せてお話しいただきました。特に、傾聴、共感、受容の大切さと、相談者の人格を尊重し、前向きに始まる相談を心がけるとともに、相談員自らの研鑚(正しい知識と情報を得る、関係者・機関とのネットワーク作り等)の必要性について話されました。また、精神障害の方からの相談の受け方等についても、実践的な話を伺うことができました。
午後のプログラム 良田かおり氏講演の様子
午後のプログラム 良田かおり氏講演の様子

 講演に続き、良田かおり氏をアドバイザーに、竹内正直氏(中央障害者社会参加推進協議会部会委員)の進行で、参加者との意見交換を行いました。参加者からは、精神障害の方からの相談事例に対するアドバイスや、各地域の110番事業の運営状況等などついて発言がありました。そのなかで、110番事業の窓口体制の課題や地方自治体での当該事業に対する理解度が低いといった実情があげられました。
相談支援事業は、障害者の自立と社会参加の促進にとって大きな役割を担うものであり、また110番事業の運営の向上を期待する上で、時代のニーズに沿った業務体制や人材の育成、そして、質・量ともに充実するための活動を、関係者が積極的に取り組んでいく心構えが、今回の研修会を通し感じられる、実りの多い研修会都なりました。


障害者110番事業研修会 プログラム

開講:10時15分 閉講:15時30分
会場:全国社会福祉協議会会議室

開講挨拶 小川 榮一(おがわ えいいち)
日本身体障害者団体連合会中央障害者社会参加推進センター会長
講  演 障害者の自立を妨げる人権侵害等について
講 師 荒 中(あら ただし)
     弁護士、日本弁護士連合会副会長
 
講  演 初期相談のあり方を考える -初期相談に大切なこと-
講 師  良田かおり(よしだ かおり)
      全国精神保健福祉会連合会事務局長
意見交換 進 行  竹内正直(たけうち まさなお)
      中央障害者社会参加推進協議会部会委員
助言者 良田かおり(よしだ かおり)
      全国精神保健福祉会連合会事務局長
(敬称略)



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