最新情報

前の画面へ戻る
障害者相談員活動促進啓発事業セミナーを開催
~地域の連携と活性化を相談員活動から始めよう
2010/03/24
  2月27日(土)、全社協・灘尾ホール(東京都)において、「障害者相談員活動促進啓発セミナー」を開催しました。当日は、生憎の雨天でしたが、全国から約120名の障害者相談員等、相談支援に携わる方々にご参加いただきました。

 今回のセミナーは、『障害者相談員実態等調査報告書』(平成21年1月発行)をもとに、時代や社会状況に対応した相談員活動の実践と地域の中核的な役割を担うことが期待される障害者相談員のあり方や障害者相談員制度の課題等について考え、これからの障害者相談員活動に対する提案を目的としたものです。

 会に先立って、小川榮一日身連会長からは、“障害者相談員・制度の重要性と求められる障害者相談員への期待を、共通意識として確認し、今後の障害者相談支援の一層の促進と充実のために日身連も貢献していきたい。”との挨拶がありました。
小川榮一日身連会長の挨拶の様子
小川榮一日身連会長の挨拶の様子

 そして、午前の基調講演では、民主党衆議院議員の石毛鍈子氏から「国連・障害者の権利条約推進時代の障害者相談員活動」をテーマにご講演をいただきました。石毛氏からは、障害者権利条約における目的、定義、平等、無差別等についてふれながら、法制度の実効性を確保するための監視機関の必要性等の話がありました。さらに、障害者差別禁止法制定の必要性と障害当事者の参加による権利擁護活動の大切さについて話が進むなかで、“障害者相談員が、ピアカウンセリング、ピアサポート、コンタクトパーソンとしての権利擁護から草の根の権利擁護までを、相談員としての活動と捉えていただきたい”と、障害者相談員への期待が語られました。
民主党衆議院議員石毛鍈子氏の講演の様子
民主党衆議院議員石毛鍈子氏の講演の様子

 午後は、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長中島誠氏から、最近の障害者支援施策の動向についてご講演いただきました。中島氏からは、障害者が当たり前に暮らせる地域づくりにかかる地域生活移行の基盤と促進のための支援方策、また住まいの場のための福祉部局と住宅部局の連携強化について、現在の行政施策の動向に関する話がありました。そして、相談支援体制の充実強化促進の重要性を踏まえ、“障害者やその家族が有している様々な経験・体験や情報を活かした障害者同士・家族同士によるピアサポート、身体・知的障害者相談員による相談援助の活用による厚みのある相談支援を実施していくべきであり、行政、関係機関、相談支援専門員との連携による地域の支援力の向上に期待したい。”との発言がありました。
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長中島誠氏の講演の様子
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長中島誠氏の講演の様子

 引き続くシンポジウムでは、前述の『障害者相談員等実態調査報告書』に執筆いただいた、阿部一彦(仙台市身体障害者福祉協会会長)、清水圭子(全日本手をつなぐ育成会前中央相談室長)、竹田勉(熊本県身体障害者福祉団体連合会常務理事)、良田かおり(全国精神保健福祉会連合会事務局長)の諸氏をシンポジストとして、そして、前田保氏(青森県身体障害者福祉団体連合会会長)をコメンテーターに、森祐司(日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長)の進行で行いました。
シンポジウムの様子
シンポジウムの様子

 シンポジストの方からは、調査報告書からみえてきた課題の中から、特に注目したい3つの点があげられました。一つ目として、精神の分野における相談員制度の創設について。法的根拠のある身体及び知的の相談員制度と同様に、三障害一元化からも精神における相談員制度の確立が急がれること。二つ目に、相談員の役割について。地域の連携・ネットワークの構築と初期相談から始まる相談支援の重要性を個々が再認識することが大切。そして、三つ目に研修について。相談員が地域で効果的に活動ができるためには、相談が自己研鑚はもとより相談員同士の情報及び意見交換の場の提供と、相談員と障害者団体と連携した研修とともに、障害者団体が相談員活動を地域との連携の中で支援できる体制を構築することが提案されました。
その上で、障害者の声が反映された障害者施策の具現化を、障害者の代弁者である障害者相談員が、専門相談員とは別の役割を実践してくことを期待したいとの提言がありました。また、会場との意見交換では、参加者の方から、現在の相談員活動における問題点や相談活動のあり方などについて様々な意見があがるなど、大変有意義なセミナーとなりました。
今回のセミナーを踏まえ、日身連としては、今後の相談支援事業(活動)において、障害者相談員・制度の必要性と、さらに相談員制度が有効に活用される基盤強化のために一層取組んでまいります。



前の画面へ戻る



社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会
〒 171-0031 東京都豊島区目白 3-4-3
NISSINREN