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2010年度(平成22年度)
社会福祉法人日本身体障害者団体連合会 事業計画
2010/05/12
 2010(平成22)年度の日身連事業計画と予算が3月18日に東京都内で開かれた定例評議員会で了承されました。
 2010年度事業計画(全文)は以下のとおりです。なお、2010年度予算については、5月13日に本ホームページで掲載予定です。


基本方針
 昨年12月、障害者施策を総合的かつ集中的に見直す機関として、内閣府に設置された「障がい者制度改革推進本部(本部長/鳩山由紀夫内閣総理大臣)」を中心に、国の本格的な障害者制度改革への着手が始まった。そして、改革の実動的な機関として推進本部の下に、「障がい者制度改革推進会議」を置き、「障害者権利条約」の批准を視野に、「障害者基本法」の抜本的改正をはじめ、「障害者自立支援法」に替わる「障がい者総合福祉法(仮称)」の制定等といった障害者施策の推進のための検討を行うことになった。推進会議は、構成員24名のうち14名が障害当事者または障害団体関係者からなり、小川榮一日身連会長が日本障害フォーラム(JDF)代表の立場として議長に選出され、日身連からは森祐司常務理事・事務局長が構成員に就任した。
 このように障害者が自ら施策の立案段階から参画し深く関わっていくことは、日本の障害者制度始まって以来の大改革であり、この機会を成功させるためにも、日身連は、障害者が権利の主体として政策論議に取り組める意義と責任を忘れることなく、JDFを中心に他の障害者団体と強い連携を図り取り組んでいく。
 さらに、新しい障害者施策の転換期となる平成22年度、日身連に期待される責務を全うするためにも、日身連の基盤強化を進めることが急務である。特に、懸案とされている財政問題については、加盟団体のご理解とご協力をもとに、思い切った対応策によって財政の安定化を図っていかなければならない。
 平成22年度予算案については、健全かつ安定した基盤を整え維持していくため「日身連財政の安定化に対する検討会」(平成21年10月26日設置)の「平成22年度財政計画案」に則り、緊急的対応を含む平成22年度の予算案を編成した。そして、同検討会を中心に一層の財政安定化を図るための検討を引き続き行い、一日も早く安定的な基盤を整えるよう、加盟団体のご理解ご支援を力に最大限の努力をしていかなければならない。
 そして、日身連が、障害当事者団体のリーダーに相応しい行動力をもって、関係団体及び関係機関と連携をさらに強固にし、JDFの構成団体の機軸として、障害者福祉の一層の充実と発展のために活動し、期待に応え得る日身連の活動が展開できるよう、加盟団体並びに会員の方々の協力のもと、以下のとおり、諸事業を実施し成果を図りたい。

日身連の主な事業
1.『第55回日本身体障害者福祉大会 おおさか大会』の開催

 日身連と大阪府身体障害者福祉協会、大阪市身体障害者団体協議会、堺障害者団体連合会主催により、舞洲アリーナ(大阪府大阪市)他において、平成22年5月27日(木)、28日(金)の2日間、同大会を開催する。大会初日は、障害者福祉施策の展望に関する講演と施設から地域生活への支援をテーマに政策協議を、翌日は式典と議事を行う。

2.国及び政党等に対する要請行動及び審議会等への積極的参画
 日身連加盟団体から寄せられた要望事項は、日身連要望事項として整理し、政府及び与党に対し要請行動を行う。また、国及び政党等に置かれている会議や委員会等に積極的に出席し、日身連の考えを示していくとともに、障害福祉施策の充実を図るために努める。
 特に、今後の障害者制度の抜本的見直しと策定等に関する議論が進められている障がい者制度改革推進会議に対して、日身連の意見を明確に示していく。また、同推進会議に課せられた目的達成のために、他の団体と一層の協力・連携のもと、積極的に取り組んでいく。さらに、日身連は、JDFを中心に障害者団体がさらに結束・協力し、障害者の権利保障及び差別の禁止等に関する法制度の整備の具現化のために諸事業を展開する。

3.「障がい者総合福祉法(仮称)」制定に関する事業の展開
 日身連は、障がい者制度改革推進会議において議論される障害者制度に関する諸課題のなかで、「障がい者総合福祉法(仮称)」を最重要課題として位置づけ、同法が制定されるまでの間は、利用者及び事業者や福祉サービスの提供等に混乱が生じないよう適切な緊急対応が講じられるよう要望していく。また同時に、「障害者自立支援法」で課題と指摘された“利用者負担”、“利用者の範囲”、“所得保障”、“報酬単価”や、“小規模作業所”の移行要件の緩和等についても、「障がい者総合福祉法(仮称)」制定の過程の中で十分に検討するよう要望していく。

4.中央障害者社会参加推進センター事業の拡充
 障害者の人権問題や地域生活支援等の課題についての要望が強くなってきていることからも、障害者相談員活動強化事業や人権擁護障害者110番事業等で、これらを意識した事業の取組みを図っていく。また、各地域における障害者の社会参加推進が一層図られるように、地方の障害者社会参加推進センターと連携し、研修等を含めた事業を積極的に展開していく。

5.働く身体障害者からのメッセージ発信事業の実施
 厚生労働省の委託事業として、重度障害者の職業的自立に向けた情報の提供及び個別の相談等を行うための職業自立相談員と、重度視覚障害者に対するあん摩マッサージ師・鍼師・灸師といった自営及び起業等に関する情報提供のための職業自立コンサルタントを設置する。
 また、重度障害者が利用する施設等の利用者、家族及び職員等を対象に、施設関係者、事業主、学識経験者等を講師に全国2か所でセミナーを開催し、雇用・就労等に関する情報提供や意見交換を行い、職業的自立の成果が図れるよう事業を実施する。

6.障害者相談支援事業の充実
 障害者相談員制度の存続については、地方財政の関係により一部の地域では制度の廃止といった問題が生じている。日身連では、これまでも同制度の存続と、障害者相談員の認知について、国に働きかけてきているが、さらに国や政党に対し、専門相談員とは異なった役割を担っている障害者相談員の必要性について要望し、障害者相談員の活用の場が拡充されるよう働きかけていく。また、障害者相談員研修の充実及び強化のための支援事業を展開し、障害者相談員の資質の向上に努める。障害者自立支援法のもとにおいて、その活用が拡充するよう事業に努める。

7.機関紙の充実
 現在、毎月1回、機関紙『日身連』を発行し、障害者福祉関連情報を通じて啓発活動を進める。また、最新の情報を提供するほか、機関紙コラム『地域からの発信』といった加盟団体からの情報等を含め、さらに紙面の充実を図り、読者のニーズに応える内容にするとともに会員の獲得に努める。

8.日身連の基盤強化
 平成22年度は、国(政府)や政党との新たな体制(仕組み)のなかで障害者団体間の協議や議論が進められることになる。そういった動きのなかで、日身連が、障害当事者団体としての存在をアピールしていくための団体活動(行動)は、これまでにも増して、迅速かつ厚みのあるものとしていかなければならない。十分な団体活動(行動)が行えるためにも、日身連の財政基盤、組織(連携)体制、政策機能を強化していく必要があることから、以下の基盤強化を図っていく。

(1)財政基盤の強化
 日身連の財政の健全化については、これまで「日身連財政運用検討委員会」の設置をはじめ、定款や諸規程の見直しを含め、賛助会員制度の創設や食事支援福祉機器「マイスプーン」助成事業等の対応策を投じてきたが、十分な効果をみることができていない。
 深刻な財政問題の立て直しには、大胆な対応策が必要であり、平成21年度に設置した「日身連財政の安定化に対する検討会」を中心に検討され、緊急的な対応策として立てられた「平成22年度財政計画案」に基づいた平成22年度の予算案を編成した。今後とも、赤字削減目標数値が達成できるよう、加盟団体のご理解ご協力のもと、取り組んでいく。

(2)組織(連携)体制の強化
 日身連の活動や障害者福祉施策等に関する最新情報の提供や障害者相談員等に対する研修・啓発活動等を通じ、賛助会員の拡充に努める。また、日身連の事業活動に対する支援・協力をさらに強固なものとするためにも、各加盟団体との相互間の連携を深め、会員の理解を得、組織体制の強化を図っていく。

(3)政策機能の強化
 これからは、障がい者制度改革推進会議を中心に制度改革が本格的に始まる。「障害者権利条約」の批准を視野に、「障害者基本法」の改正、「障害者差別禁止法」や「障害者虐待防止法」の制定、そして、「障害者自立支援法」の廃止後に制定される「障がい者総合福祉法(仮称)」が最重要課題となってくる。日身連として、これらの課題に迅速に対応できる政策機能の体制作りは必要である。現在、会長の諮問機関として置かれている「障害者施策等のあり方検討委員会」と連携のもとに、専門的な委員会として設置し、万全に対応できるよう政策基盤の体制強化に努める。

9.日本障害フォーラム(JDF)関連事業
 障害者施策等に関するさまざま問題については、前述した障がい者制度改革推進会議はもとより国や各政党間との協議において、JDFがこれまで果たしてきた役割は非常に大きい。今年度は、「障害者権利条約」批准の実現も色濃く、「障害者基本法」の改正をはじめとするさまざまな国内法制度の改定制定において、障害者団体としての意見を、JDFと連携しながら主張していく。また、障害者権利条約の推進啓発活動と併せ、地域では障害者差別禁止条例制定への動きが広がりつつあり、さらにこの動きが拡充するよう、日身連は、加盟団体との協力のもと、JDF構成団体の機軸として協力に努める。

                                       以上



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