日本身体障害者福祉大会
第61回日本身体障害者福祉大会 きょうと大会
《政策協議》基調講演・シンポジウム開催報告
きょうと大会政策協議の模様
大会1日目の5月11日(水)午後、新・都ホテル陽明殿(京都府京都市)で「地域福祉の推進に向けた日身連の役割について~社会福祉法人制度改革と障害者差別解消法の実施にむけ~」をテーマに、200人を超える参加者を迎え、政策協議とシンポジウムが盛大に開催されました。
基調講演「社会福祉法等改正の概要について」
シンポジウム「障害者差別解消法の理解啓発に向けて」
シンポジウムの模様
政策協議では、まずはじめに、厚生労働省社会・援護局福祉基盤課社会福祉法人制度改革推進室長の田中徹氏から「社会福祉法等改正の概要について」と題した基調講演があり、経営組織のガバナンスの強化や財務規律の強化について最新の情報をご提供いただきました。
続いてのシンポジウムでは、地域で条例を作った行政機関の立場から金政玉(きむ・じょんおく)氏(兵庫県明石市福祉部福祉総務課障害者施策担当課長)、開催地を代表して地元の京都市身体障害者団体連合会副会長でもある竹下義樹氏(弁護士、日本盲人会連合会長)、この3月に市長が条例を作ることを明言された福岡市身体障害者福祉協会会長の中原義隆氏(日本身体障害者団体連合会理事)が登壇、田中駒子氏(内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付企画官(障害者施策担当))がコメンテーターを務められ、阿部一彦日身連会長の進行で以下の3つの柱でディスカッションが繰り広げられました。
- 障害者差別解消法の施行を受けて
- 「障害者団体が一致団結して行動した結果として成立し、これから知恵を絞って育て、合理的配慮の例を積み重ね、地域に浸透させなければいけない法律」であるという共通の認識が確認されました。
- 障害者差別解消法を実効性のあるものに
- 法律を国民に広く知らせ、障害者自身も学習し、地域の特性に応じた条例を作っていくこと、紛争解決のための窓口を提示すること、障害者差別解消支援地域協議会を受け皿として設置することなどが話し合われ、40を超える団体が集まった「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」が1148件もの差別事例を集めて分析してまとめた経験は特に大きな関心が寄せられました。
- 障害者団体の役割
- 特に障害者団体と自治体が連携し、障害者の権利と「社会モデル」を広く社会に広めていくことが必要であり、「すべての人のための法律」として周知啓発していくことが重要であり、障害者団体の役割が大変大きいことが確認されました。
最後に「障害者差別解消法は、内容が不十分だからこそ地域でどんどん回し続けて、条例として結実していく。私たちの活動の大きな武器として活用していく」ことが確認され閉会となりました。