日本身体障害者福祉大会
第62回日本身体障害者福祉大会 ぎふ清流大会
《政策協議》基調講演・シンポジウム開催報告
ぎふ清流大会政策協議の模様
大会1日目の5月30日(火)午後、岐阜都ホテルボールルームで、「ユニバーサルデザイン2020行動計画がめざす共生社会の実現と障害者団体の役割」をテーマに、200人を超える参加者を迎え、政策協議~講演とシンポジウムが盛大に開催されました。
基調講演「ユニバーサルデザイン2020行動計画について」
基調講演の模様
はじめに、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官(内閣審議官)の岡西康博(おかにし・やすひろ)氏から「『ユニバーサルデザイン2020行動計画』について」と題した基調講演があり、共生社会の実現に向けた行動計画の3つのポイント(①心のバリアフリーとまちづくり ②政策立案段階から障害者参画の施策の実現 ③2020に向けた実効性を担保するための継続的な方策)についてご説明いただき、2020がゴールではなく、人びとの心のあり方を変える絶好の機会であり、この機を逃さず国民全体を巻き込んだとりくみを展開すべきと強調されました。
シンポジウム「ユニバーサルデザイン2020行動計画がめざす共生社会の実現と障害者団体の役割について」
シンポジウムの模様
続いてのシンポジウムでは、交通のバリアフリーを進める立場から長井総和(ながい・のぶかず)氏(国土交通省総合政策局安心生活政策課課長)、障害者団体の立場から久保厚子(くぼ・あつこ)氏(全国手をつなぐ育成会連合会会長)、尾上浩二(おのうえ・こうじ)氏(内閣府アドバイザー、DPI日本会議副議長)が登壇、ご講演いただいた岡西氏がコメンテーターを務められ、阿部一彦日身連会長の進行でディスカッションが繰り広げられました。
- ユニバーサルデザインのまちづくりで特に注目していること、団体活動との関わりについて
- 「スパイラルアップ」が成功するかどうかがポイントであり、障害当事者がチームとしてまちづくりに関わり、地域を検証してフィードバックしていくことが大切だということが確認されました。
- 心のバリアフリーについて団体としてどのようにとらえているか
- 「幼少期からの多様性を認める教育、障害理解と社会モデル教育の推進とともに、障害当事者が必要とする配慮について積極的に発信することが大切」という議論を経て、国土交通省の長井課長からは「交通分野における接遇の向上と職員の研修充実、平成29年度中に交通事業者向けの接遇ガイドラインを作成」という力強い発言がありました。
- 障害者団体の役割を含め、行動計画の実現に向けた施策を実行する上で必要なことについて
- さまざまな地域の事業者や機関と関わりを持ち、双方向のやりとりを深めていくことや、行動計画で示された当事者参画の評価システムを地域に広げていくことなど、多くの論点が提起されました。
続いて、地域での事例紹介と提言、提案として岐阜県の岡本敏美(おかもと・としみ)会長、長崎県の土岐達志(とき・たつし)会長から指定発言があり、会場からのご意見も踏まえ、最後に「困ったことを知ることで障害理解が深まり、障害者団体が率先して動いて地域社会を巻き込んでいくことが相互理解につながる。2020行動計画は障害者だけのことではなく、すべての人が抱える困難や痛みを想像し、共感する力を培うことが大切で、私たち抜きには達成できない」とまとめられ、日身連全体でチームとして取り組むことの大切さも確認できた、熱い政策協議となりました。
- 「ユニバーサルデザイン2020行動計画」はこちらからダウンロードできます
- 《内閣官房》ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議のサイト