日本身体障害者福祉大会
第64回日本身体障害者福祉大会 あきた大会
《政策協議》基調講演・シンポジウム開催報告
あきた大会政策協議の模様
大会1日目の5月2日(水)午後、秋田キャツスルホテル(秋田県秋田市)で、「改正バリアフリー法への期待~地域間格差ない環境整備に向けて~」をテーマに、政策協議~基調講演とシンポジウムが盛大に開催されました。
基調講演「我が国のバリアフリー政策」
基調講演の模様
はじめに、基調講演として国土交通省総合政策局安心生活政策課長の奈良(なら)裕信(ひろのぶ)氏から「我が国のバリアフリー政策」と題したご講演があり、ユニバーサルデザイン2020行動計画に基づく政策の実行の有効性についてお話しいただきました。
バリアフリー法の改正により公共交通機関やホテル旅館などのバリアフリー水準の底上げがされたことや、接遇や研修などを通じた心のバリアフリーの推進が政策に反映されたことなど、バリアフリー化の促進について共有しました。また、地域間格差解消の方策の一つとして、市町村におけるマスタープランの作成に障害者団体や障害のある当事者が関わることの重要性と、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会後を見据えて、国の移動等円滑化評価会議と同様に、地域10ブロックに設置される地域分科会にも関心をもってかかわっていく必要性を確認しました。
シンポジウム「改正バリアフリー法への期待~地域間格差ない環境整備に向けて~」
シンポジウムの模様
基調講演を受けて行ったシンポジウムでは、開催地を代表して秋田県身体障害者福祉協会会長伊藤(いとう)英紀(えいき)氏、国交省内の委員会に参画した経験のある日身連会長阿部(あべ)一彦(かずひこ)氏、札幌市身体障害者福祉協会会長浅香(あさか)博文(ひろふみ)氏、長崎県身体障害者福祉協会連合会会長土岐(とき)達志(たつし)氏が登壇、ご講演いただいた奈良(なら)課長にコメンテーターとして加わっていただき、日身連組織体制強化及び障害者施策等に関する検討委員会副委員長で茨城県身体障害者福祉団体連合会会長荻津(おぎつ)和良(かずよし)氏の進行でディスカッションが繰り広げられました。
シンポジストからは、日身連が参画している国交省の委員会での検討内容やバリアフリー化推進の課題、障害者団体の役割などについて意見が交わされ、“私たち抜きに私たちのことを決めないで”の意識をもち、社会的障壁の除去を進めること、暮らしやすい環境の構築には地域を巻き込んでいくことなどが提案されました。また、会場の参加者からも心のバリアフリーがしっかり理解され、社会の常識として定着させる必要性が指摘されました。奈良課長から、「共生社会の実現には心のバリアフリーは必要不可欠、地域に組織力をもっている強みを生かしてもらいたい」と日身連への期待が寄せられました。