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相模原殺傷事件から1年 日本障害フォーラム(JDF)が声明を発表
阿部一彦日身連会長が代表をつとめ、日身連も構成団体として参画している日本障害フォーラム(JDF)は、「相模原障害者殺傷事件」から1年が経過するにあたって、下記のとおり声明文を発表しました。
“生命”“人権”の大切さを
障害者19名の生命を奪い、さらに27名に重軽傷を負わせた「相模原障害者殺傷事件」から早や1年余が経過しました。報道でこの事件を初めて目や耳にした時、私たちの受けた衝撃は言葉に表せないほど大きなものでした。
被告は1年たった今も、「障害者は不幸しかつくらない」と語っているといいます。しかし19人にはそれぞれの人生があり、そして未来があったはずです。それを一瞬にして奪うことは断じて許されません。
事件から1年が過ぎた現在も、初公判の見通しはたっていません。今後開かれる裁判では、犠牲となった19人全員が匿名で審理されることが報じられています。ご遺族等の意向は一概に否定できるものではありませんが、犠牲者が匿名で語られ続けることにより、一人ひとりの“生命”や“人権”について考える手がかりを、多くの人が失ってしまっていることを指摘しなければなりません。
また、この事件を契機として、精神保健福祉法改正案が国会に上程され継続審議となっていますが、この事件と精神疾患との因果関係が明らかでない中、改正案の妥当性を十分に検証し、措置入院した人への地域での監視体制が強化されることのないよう求めます。
この事件は、私たち障害当事者の心を深く傷つけ、家族や関係者に大きな衝撃を与え、市民社会の溝をも深めてしまいました。私たちは、この事件を風化させることなく、相互に議論を深めていくとともに、障害者権利条約に基づいて、障害のある人もない人も共に生き、共に働き、共に学ぶ、分け隔てのないインクルーシブ社会の実現をこれからもめざしていきます。
2017年8月18日
日本障害フォーラム(JDF)